もし世界に神がいたとして,最期の一撃を人間に下したとしたら,それは「消失」でしかないだろう。悪魔は死にゆく様を楽しむために「惨殺」する「殺戮」する「虐殺」する。だが,結果は同じ。神の顔をした悪魔が「消失」を楽しむこともあり得る。
ブリザード・エンターテインメント社のオンラインRPG「ディアブロ2」の対戦サーバー上で12月30日,黙示録的な大殺戮事件が起きた。プレイヤーはなにが攻撃してきたかも把握できないまま,打ち倒された。犯人が何者であるかは定かではないが,バトルネットのサーバーには,過度のアクセスで他のキャラクターへのアクセス権が与えられてしまうバグがあり,それが悪用されたとの見方もある。
見えない敵が現れ,次々とプレイヤーを殺していく様は,なんとも恐ろしい。バトルネットのシステムオペレーターのコメントをみると,どうにも低姿勢なので,なんらかのバグがあって,それを突かれた,というのは正しそうだ。1月8日に,昨年の12月19日の時点でのキャラクターを生き返らせることができるようにするという。でも,停滞気味のランキングを活性化するために意図的にブリザード社社内で神の雷を下したという意見も強かったりする。TechTVが行っている「誰がDiabloのキャラクターを殺したか」という投票では,ブリザード社の内部犯行とハッカーによるハッキングが同じくらいに並んでいる。
この「事件」についてのCNETの記事の一番最後のコメントは「たかがゲームじゃないか,まじめに受け取るなよ」というアドバイスだが,そんなアドバイスを受け取れる人はいないだろう。そして,神の仮面をかぶった悪魔になることもできる人間(内部犯行であれ,クラッカーであれ)に怒りはおさまらない。ブリザード社は犯人追及についてコメントを控えているが,キャラクターリストアの状況によっては,神,または悪魔に対する断罪を求める声もあがってこよう。
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